今回は、将棋を学習することの意義について、私の考えを説明させてもらいます。


   
   将棋はある程度考え方がわかってくると、とても面白いので、長い時間、集中して頭を使うことができるようになります。
 将棋大会などでは、参加した子たちは、朝から夕方まで何時間も集中して考えています。 長時間集中した後には、「脳に良い汗をかいたような状態」になります。 小学生の内に、「集中すること」ができるようになっていると その後、「将棋」から「勉強」へと、学習対象が変わった時にも、 集中して勉強できます。


   
   現代社会はインターネットなどで、 「大量の情報が溢れる情報化社会」 です。
  「真偽のわからない様々な情報を、いかに取捨選択するか」 がとても大事です。
 将棋の盤面には、大量の情報が詰まっています。考え方がある程度わかってくると、 その中から、考えるべき情報と、考える必要のない情報を取捨選択することができるようになってきます。 この訓練をすれば、子供たちが、今後さらに進んでいくであろう 「高度情報化社会を生き抜く術」 を得ることができるでしょう。


   
    将棋で勝つためには、自分のやりたい手だけでなく、相手のやりたい手も考えなくてはなりません。 そして、局面を客観的に判断して、自分のやりたい手を指すべきか、相手のやりたい手を防ぐべきかを考えます。 「さまざまな角度から物事を考える視点を身につける」 ことは、 将来その子が活躍する上で大きな武器になります。


   
   将棋では、自分が指す手とそれに対する相手の手を考えます。 その二手進んだ先の状態を判断して、さらに先に進むか読みを打ち切るか決めます。 将棋では常に先の手を考える必要があるので、 「先を読む力」 が自然に身につきます。


   
    TEDで有名な動画で「成功のカギは、やりぬく力」 というのがあります。(6分くらいの動画なのでまだご覧になっていない方はぜひクリックしてご覧ください。)
 動画は、 成功を収めた人は皆「やりぬく力」を持っている という話で、そのやりぬく力の一つに 「忍耐力」 が挙げられています。 将棋は、様々な過程で忍耐を要求されます。 お互いに相手の陣地を壊して、戦うので、嫌なことがたくさんあります。 最初から最後まで楽しく終わることはまずありません。 勝つためには、攻めたいのを我慢して、守ることも必要です。また、負けた時に我慢することも大切な学びです。 こんなに精神的に我慢を要求されるゲームはあまりないと思います。 「耐え抜いた先に、大きな喜びがある」 ということを小中学生の内に知ることは、その子の成長の大きな役に立つでしょう。


   
    将棋は論理的なゲームで、お互いの論理を積み上げながら局面が進んでいきます。 自然に 「論理的思考力」 が身につきます。
 この 論理的思考力というのは、プログラミング思考力とほぼ同じ です。
2020年からプログラミング教育が小学校で必修化される予定です。 プログラミングの基本は、 順次、分岐、繰り返しという3つの処理 にあり、難しいプログラミングも この3つの処理を組み合わせて作り上げます。 この内の 順次分岐 に関しては、将棋の思考プロセスとほぼ同じなので、 自然に 「プログラミング思考力の基礎」 も身に付きます。


   
    将棋が強いのに勉強ができない人も中にはいるので、この説は疑う人も多いですが、 それは将棋しかやっておらず、勉強をあまりしない人のケースだと思います。 ご存知の方も多いと思いますが、 将棋が強い子は学業でも優秀な成績を収めている ことが多いです。 羽生竜王も講演会で、 将棋の上達のプロセスと、学業ができるようになるプロセスは同じ とおっしゃっていました。 小中学生のうちに将棋が強くなると、勉強も基本的にはやることは同じなので、本人のやる気次第で学力は上がるはずです。


    今回は、私の考える 将棋を学習する意義 について書かせていただきました。 もう5年以上将棋教室をやっていますが、将棋は子供の成長にとても有効なツールだと確信しています。 お子さんが将棋に興味を持ったのはチャンスです。 是非、チャレンジしてみてくださいね♪
この記事を書いた 山形市こども将棋教室についてはコチラをご覧ください。